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減損損失が算出される可能性がある場合、具体的に収益構造・経費発生プロセスのどの部分にメスを入れるべきかを評価・判定するには、ファシリテイコストの把握が必要になってきます。 2002年3月にまとめた「平成13年度調査研究施設に関する費用認識・管理会計基準に係る調査研究報告書」の中にファシリテイコストの把握・計算法が詳しく掲載されているので、必要部分を抜粋して説明していくことにします。
ここでいう特別経費とは「財務会計とは異なる計算方式を適用するコスト」をいい、具体的には減価償却費と資本コストをさしています。 財務会計においては、固定資産の減価償却費は取得価額の10%を残存価額とし、法定耐周年数により定率法で償却するのが通例とされています。
しかしFC研究チームでは、固定資産の課税標準額に基づき、実際残存価額を差し引き、実際耐用年数で除する定額法を原則としています。 さらに簡便法として、取得価額に基づき、残存価額をo(ゼロ)とし、法定耐周年数の80%を償却期間とした定額法を特例として設けています。
ですから、財務会計上の減価償却費を計上するのではなく、ここに挙げた原則か特例に則って再計算することを原則としています。 財務会計で扱う減価償却費とは異なる算出法を求める理由は以下のとおりです。

定率法は定額法に比べ早期償却が可能で、保守的な処理と言えますが、毎期の償却費が減少していくため期により不均衡が生じるだけでなく、毎期原価削減がなされたかの誤解が生じてしまうからです。 税務会計では、法定耐周年数を使用することが強制されていますが、これは主として物理的年数をもとにしています。
一方、経済的耐周年数を加味した実際耐周年数は物理的価値と比較して相当短いこともあります。 その場合には、法定耐用年数で計算すると、実質資本の維持や取替資金の確保ができなくなることがあるからです。
税務会計では、残存価額は取得原価の1割と法定されていますが、実際耐周年数を使用する以上、それを上下するのが普通なので実際残存価額を使用するほうが合理的と考えられるからです。 広くは有利子負債(借入金社債割引手形など)の約定利息や株主配当金などの資金調達コストのことで金額で表す場合と、割合(%)で表す場合とがあります。
ここでは紛らわしさを解消するために、割合で表す場合を「資本コスト率」とよぶことにして金額表示のケースとを区別することにします。 資本コスト率は、有利子負債のコスト率と株主資本のコスト率を加重平均したもので、加重平均資本コスト率とよぶこともありますいずれにしても、財務諸表上には「資本コスト」という勘定科目もなければ、資本コスト率の考え方も財務会計にはありません。
ですから、なかなかピンとこないコストです。 減損会計の説明で、固定資産の現在価値を求める際に将来キャッシュフローに割引率を勘案して算出しましたが、この割引率に適用されるのが資本コスト率なのです。
ですから、資本コスト率を、経営者が新規投資に対する決定を下す際に要求する最低限の投資利益率として、要求利益率とよぶこともあります。 さて、ファシリテイコスト科目の資本コストに話を戻しましょう。
資本コストを取り入れる理由は実際には資本コストは現金の支出をともなわないコストですが、固定資産として保有・使用しているファシリティには資本コストがかかっているという付加原価としての認識をもつ意味から支払いコストに加算することを原則としています。 ここでもFC研究チームは減価償却費と同様に、原則と特例を設けています。
原則:資本コスト=(固定資産の課税標準額十敷金・保証金)×自社の加重平均資本コスト率特例:資本コスト=(固定資産の課税標準額+敷金・保証金)X5.557%ここで、特例の算式における5.557%という数値ですが、これはFC研究チームにおいて東証一部上場企業243社をサンプル抽出し、2001年度決算数字から以下の計算方法で各社の加重平均資本コスト率を法人税率42%として加算・算出した平均値であり、国内経済の金利等の大きな変動がなければ当分の間使用可能な数値と考えます。 また大きな変動要素が生じた場合は、新たな数値が]FMAで発表されるものと思われます。
原則にある、自社の加重平均資本コスト率がすでに確立されている企業においてはその数値を使問いただいて結構ですが、確立されていない場合は、特例の数値を算出した計算方法(法人税を配当金に加算)がFC研究チームで示されています。 序章で説明したファシリテイコスト科目に、該当する自社の勘定科目の金額を当てはめていけば自然に全社としてのファシリテイコストは把握できますが、まず大前提の条件があります。
連結決算の数値ではなく、単独決算の数値を用いること外資系企業ではドル建てではなく、円建てで計算すること自社ビルか賃借ビルかは実質基準(運営権限を保有しているか否か)ではなく、形式基準(所有権を保有しているか否か)で判定すること。 この意昧は、たとえば子会社として不動産管理運営会社を持ち、自社ビルとしての保有はこの不動産運営会社で、親会社はこの子会社に賃借料を支払うテナントとして入居するという形式を採用しているケースです。

この場合は、単独決算数値を用いるため、親会社はこのビルの所有者ではなく、賃借ビルのテナントとして子会社への賃借料額をそのまま賃借料として使用するということです。 次に、該当する勘定科目がない場合や内容が複数の勘定科目に分散していたり、他の勘定科目に含まれていることがあります。
該当勘定科目がない場合は計算の必要はありませんし他の勘定科目に含まれたり分散している場合には、その金額を抜き出して該当科目に加える必要があります。 特に「委託費」と称する勘定科目のケースには機器類の保守点検、清掃、病害虫防除、などの維持費に該当するものや設備運転・監視などのファシリティ保安費、警備といったセキュリティ費、受付・郵務業務委託などの業務支援費、生活支援費の各種業務などをアウトソーシングしている場合の支払い経費をすべてあるいは指数をこの勘定科目で計上している企業も多いと思われます。
基本的には個々に分類して金額を算定しなおすのですが、困難な場合には、主たる業務の当該科目に一括計上することもやむをえないものとして処理してかまいません。 さらに、業務支援費、生活支援費、統括管理費など、ファシリティ管理業務を社内要員が実施する場合の人件費・経費を把握する方法が確立していない場合、当該業務に関わった作業時間数(工数)により比率計算し算出することを原則とします。
たとえば、受付業務を行っている社員が、ファシリティ伝票入力作業を兼務している場合には1カ月の作業時間割合を大まかに推計し、該当社員の人件費・経費を業務支援費と統括管理費に分けるのです。 ファシリティ管理業務とファシリティ管理業務以外の業務に関わっている場合も同じです。
FC研究チームにおいては、このように算定が困難な場合の便法を設け、ファシリテイコストの科目ごとの記入表とセットで新確定申告書方式と名づけた算出法ガイドを設定していますので、詳しくはFMAにお問合せください。

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